『パイナップル ツアーズ』という映画は、伊是名島(映画の中では具良間島)に撮らせていただきました。伊是名島の風土にお願いをし、沖縄の歌手や芸能人に頼って出来た映画です。照屋林助さんをはじめ、ウチナーンチュ(沖縄人)の先輩たちに、たくさんの大切なことを教えていただきました。私の頭の中よりも、実際の映画は面白くなることを知り「他力本願」を胆に刻みました。私は、今も生きて映画を作っています。島と皆さんへ、イッペーニフェーデービタン(本当にありがとうございました)。
中江 裕司(『春子とヒデヨシ』監督)
この映画が作られた時代は、復帰闘争が一段落した後に成長した僕らのような世代が成人し、発言権を持ち始めた時代でした。それによって「沖縄ってこういうところだ」というウチナーンチュの心持ちの再定義が行われた時代でした。そんな時代の熱気みたいなものが、この映画には映り込んでいると思っています。その時から30年。今の観客にどういう風に観られることになるのか?嬉しさと共に、興味が湧いてきます。
真喜屋 力(『麗子おばさん』監督)
’80年代の若者の多くは、ウチナーグチを正しく話せない、三線できない、カチャーシー踊れない…そんな卑屈な感情から「沖縄」を避けたりダサく感じたりしていましたが、’89〜’90年頃から自らの世代にも独特の文化があることに気づき、県内の若者から「沖縄ブーム」が起こりました。この映画はその勢いにのって作ることができたと思います。
ただし自分は、本土の方々が沖縄に抱く癒やしのイメージにちょっと違和感があり、沖縄を利用して一儲けを企む者、それに乗せられて浮かれるウチナーンチュ、敢えて乗っかってずる賢く立ち回るウチナーンチュらを揶揄するつもりで、“踊る阿呆に 見る阿呆”的なバカ映画として撮ったのが『爆弾小僧』です。
當間 早志(『爆弾小僧』監督)